ウィンサーバー VPS の体験レポート

ウィンサーバー(Winserver) VPS は、低価格の Windows VPS です。Light コースであれば月額1995円で、メモリ1G、ディスク容量120GBの VPS が借りられます。初期設定費用が1080円、最低利用期間が3ヶ月となっています。共用サーバーを使っていると、コントロールパネルが使いにくい、リモートデスクトップを使いたい、タスクスケジューラーを使いたい、最新のバージョンのツールを使いたい、Java も使いたいというような不満がでてくると思います。そういう場合の乗り換えに最適な VPS サーバーです。Amazon EC2 の micro インスタンスより、価格は安く性能面では上回っています。日本の他の Windows VPS と比較(低価格 Windows VPS の比較)してもパフォーマンスはいい方だと思います。また、Winserver は、Windows 専業で、Windows 共用サーバーも運営したりしているので技術力の面でも問題は少ないと思います。

Amazon Web Service や Windows Azure では多くのサービスが提供されています。例えば、アクセスが増加したときに、その時間だけインスタンスの数を増やして対応するというようなことができます。ウィンサーバー VPSには、そのような機能はありません。しかし、個人や中小の企業の公開用サーバーを共用サーバーから乗り換えたいという場合には、そのような高度な機能はそれほど必要としないケースが多いと思います。むしろ、ウィンサーバー VPS が提供している電話サポートの方が役に立つ場合が多いと思います。また、従量制の課金でないため経費が確定しているというメリットもありあます。

最近、スマートフォンが普及したことやFX(外国為替証拠金取引)の自動取引のために Windowsデスクトップの利用が増加しています。お名前.com の Windows デスクトップが有名で、一番安価なコースが、メモリ1G、ディスク容量50GBで、1年契約の月額で2,332円(税込)です。ウィンサーバーでも、月額2,268円で Windows デスクトップサービスを提供していますが、Webサーバーよりも Windowsデスクトップサービスの方が料金が高くなっています。Windows Server 2008R2 以降は、サーバーのリモートデスクトップを利用するためにはRDSのライセンスが必要なためというのが理由のようで、Web サーバーについては、Linux という強力な競争相手がいるけど、デスクトップに関しては Windows が圧倒的に優位にあるためだと思います。

ウィンサーバー VPS を使ってみる

ウィンサーバー VPS の設定は、リモートデスクトップ接続を使用しておこないます。リモートデスクトップ接続は、簡単でウィンサーバー VPS では、初期設定の状況でリモートデスクトップの設定は完了しているので、自分のパソコンから、[スタート] - [すべてのプログラム] - [アクセサリ] -[リモート デスクトップ接続] で、リモート デスクトップ接続のソフトを起動して、メールで連絡のあった IP アドレス、管理者ID、パスワードを入力すれば接続することができます。リモートデスクトップで接続できれば、後はローカルのマシンを操作するのと全く同じです。また、自分のマシンからファイルをアップロードしたい場合にも、コピー&ペーストでもできるので便利です。

ウィンサーバー VPS の OS は、最新の Windows Server 2012 R2 Standard、Windows Server 2012 Standard、Windows Server 2008 R2 Standard を選択することができます。Windows Server 2012 R2 に対応している VPS の ISP は少ないので、最新の OS を使いたい場合には結構ありがたい存在です。新規で使う場合は、Windows Server 2012 ではなく、Windows Server 2012 R2 を選択した方がいいです。ユーザーインターフェースも少しわかりやすくなっているし、Work Folders の機能を使うと SkyDrive のような機能を使うことができるようになります。ただし、Work Folders の機能で残念なのは、まだクライアント用のアプリケーションが公開されていないので Windows 8.1 のクライアントにしか対応していないことです。

Windows Server 2012 R2 を利用する上で、Light コースで問題なく動作するのか、特にメモリー不足にならないのかが心配でした。SQL Server 2012 Express、Umbraco、MetaTradar 4 をインストールしてみましたが、下の図のようにメモリー使用率は86%になっています。でも、レスポンスに問題はありませんでした。少し調べてみると、最近の Windows はメモリー使用率にはあまりこだわる必要はないそうです。むしろハード フォールトが常に多くなっていないかの方が重要だそうです(メモリ管理と重要なメモリ測定値について理解する)。もし、ハード フォールトが常に多くなっているのであれば、仮想メモリへの依存度が高くなっていてパフォーマンスに悪影響を与えている状況だそうです。

Win04

確かに、メモリー使用率は高いのですが、ハード フォールトはそれほど多くありません。共用サーバーからのアップグレードを考えているのであれば、Light コースで十分だと思います。そして、Webサイトが成長して、レスポンスが悪くなった時には、Enterprise コースにグレードアップをすることを検討すればいいと思います。

MetaTradar 4 を実際に動作させてみると、下の図のようにメモリ使用量が10~20MB程度で、比較的軽いソフトという感じがして、軽快に動作します。MetaTradar 4 を使うだけであれば、 WindowsデスクトップサービスのFXプランでそれなりに動作すると思います。

Win05

ウェブの管理画面については簡単なもので、VPSマシンの起動とシャットダウンの機能だけです。VPSなので殆どのことはリモートデスクトップで設 定できるので問題はないのですが、ただ一点だけ、リモートデスクトップ接続のファイアーウォールの設定が管理画面で設定できないことが少し気になりまし た。ファイアーウォールでリモートデスクトップ接続ができるPCをIPアドレスで限定できれ少しは安心なのですが、そうでなければパスワードの強靱性に注意しておく必要があります。